84:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:05:29.23 ID:tRJaplXx0
「千夜さん、もっと前に」
頼子の指摘に頭を下げて、踏み込む。もっと舞台を利用しなければいけなかった。
「まったく、散々連れ回して……」
「ご苦労様でした。もう目隠しをお外ししますが、何をご覧になっても、あまり声などあげられませんよう。その場合、こっちには備えがありますよ」
ベッドに転がる包帯巻き、ということになっている夢見りあむが呻く。
「ンゴゴ! だ、だ、だ、誰だ!よ! 酷いことするつもりだなっ!」
頼子もまた距離を取り、
「ひゃあ! だ、だ、だ、誰なんです!」
舞台上で円を描いて、遠目にりあむを眺め回す。千夜も応え、交差するように動く。
「黙って傷を縫って下さればよろしい。そういうお約束です」
「傷⁉︎ 縫う⁉︎ やだよぅ、痛いよぅ⁉︎」
「黙って縫われていればよろしい」
「塩⁉︎ 塩なんだけど! もっとぼくを労われ! 愛せ!よ!」
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