85:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:06:29.35 ID:tRJaplXx0
やがてシーンが終わり、次の稽古の為に小休止を挟むことになった。水分を摂りながら反省を重ねる。多分、これでは駄目だ。暗い気分が、なんとなく雑然とした空間の中で、千夜を一人だけ切り取ったように包む。次はせめて集中しなくてはならない、と思う。
思い悩むところへ、りあむがやって来た。
「エへへ、あの」
「はい」
彼女は神経質に眼を動かし、瞬きを繰り返す。
「千夜ちゃんはさぁ」
そうか、この人に気を遣われてしまうのか。
そんなに自分は悩ましく見えるのか。実際、悩ましくはあるけれど。
――余計なお世話だな。お礼を言うの、面倒くさいな。
234Res/183.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20