145:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:49:02.52 ID:tRJaplXx0
塀に沿って歩く。物陰に注意しながら、耳もそばだてた。そしてすぐに、そう注意する必要はなかったと知った。
見えないロープを手繰ってきたように、殆ど分かっていたように、都の元へ辿り着いた。ピンクの花と黄緑の葉の花壇に、俯いてしゃがんでいた。
しかし、ちょっと人目から隠れる場所とはいえ、劇場の敷地内に居る彼女を、誰も見つけられなかったとは思えない。どうやら気を遣われたのだな、と先生や頼子、志希の顔を思い浮かべた。
足を止めると、都は振り向いた。
「おや、志希さんかと思いました!」
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