146:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:49:48.41 ID:tRJaplXx0
「私で残念でしたね」
「あっはっは、千夜さんで良かったです! 探しましたよ!」
《探した》はこちらの台詞ですが――というのは飲み込んだ。実際のところ、先に消えたのは千夜だった。
「先程は、失礼な物言いでした」
「いえいえ、構いませんよ」
鼻白む。つまり――つまり、《私が悪かったんですから》などとは言わないらしい。謝り損だったかな、と横目に見れば、俯いた姿勢だったのも、手帳に書き込みをしていたからなのだと分かって、千夜はいよいよ後悔を深くした。彼女は勝手な許しをくれたまま、その髪に紅い光を散らし、何かを覗き込みながらメモを続ける。
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