132:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:39:16.36 ID:tRJaplXx0
ほとんど怒鳴って、机も叩いて、目の前に突っ立つビジネススーツをあらん限りに睨み付けた。
しかし千夜が危惧したような、例えば怖気を震ったりするような態度を彼はとらず、一言一言を吟味するようにしながら、眉や唇を引き締めて黙っていた。
暫時の間そうしていて、千夜の呼吸が整った頃、ふと思い出したように「そっか」と言い、彼は顔を和らげた。
「分かるよ。自分を見なきゃいけないってのは大変だな」
怒るでもなく続ける。怒って欲しかったような気もする。自分自身を叱ろうとして痛めつけただけだった千夜に、そのやり方を見せて欲しかったような。
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