38: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:09:37.49 ID:f3OMVmU00
穂乃果 「油絵って、絵の中でも特に描かれた時代が分かるものなんだって。穂乃果は素人だから、分厚い本をたくさん読んで一生懸命調べてみても、そんな明確に年代を推定できるようにはならなかった……だけど、それでも分かったよ。二年前に描かれたのか最近描かれたのかくらいの違いはね……!」
ことり 「……海未ちゃんが描いた絵じゃない、昔に描かれた絵でもない。なら海未ちゃんでもなく、私でもない、それでいて私の天使の輪っかをつけない理由を知ってる、そんな第三者が描いてるってこともありえるんじゃないかな?」
穂乃果 「絵にあるサインは『しぜん』。由来は海未ちゃんにも当てはまるけど、やっぱりことりちゃんの方が自然だよ」
39: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:10:40.16 ID:f3OMVmU00
―Side:海未
―Remember:ことり
そうです。
40: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:11:45.29 ID:f3OMVmU00
―Side:ことり
―With:穂乃果
ことり 「……海未ちゃんが、変わっちゃったことは知ってるよね?」
41: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:12:57.31 ID:f3OMVmU00
あれ。
うっ。
眩しい……えっと、ここは、うーん、どれくらい寝ちゃったのかなぁ、そろそろ起きないと学校に遅れちゃう。
42: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:14:04.84 ID:f3OMVmU00
海未 「ことり! 聞いてください! 今日穂乃果が私のところに来てほむまんをくれたんですよ。そのあと知らない人に取られてしまいましたが、それでも嬉しかったのです!」
ことり 「……う……う、海未……ちゃ……」
必死に返事をしようとして、でも、返せなくて。だけどそんなことは関係なかったみたいで。
43: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:15:02.03 ID:f3OMVmU00
キィィィーーーン
アブナイッ!!
……エッ?
44: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:15:51.99 ID:f3OMVmU00
それから。
しばらくしてμ'sのみんながそれぞれ見舞いに来てくれた。でも、声も出せず、目を開くことさえできなかったから……結局誰にも気付かれることはなかった。
海未 「ことり!」 ニコッ
45: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:17:03.85 ID:f3OMVmU00
穂乃果 「……」
ことり 「ねぇ、穂乃果ちゃん。海未ちゃんは幻覚が見えてるんだよね? それと、あれからもう二年も経っていること、私たちがとっくに高校生じゃないこと、それにも気付いてないんだよね?」
穂乃果 「……うん」
46: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:18:11.89 ID:f3OMVmU00
―Side:海未
―With:絵里
ガチャ
47: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:19:32.34 ID:f3OMVmU00
海未 「ことりは私を助けるため犠牲になりました。きっとその罪悪感からでしょう。お見舞いに来てくれたμ'sのみんなにさえ、離れていく幻覚を見てしまい、冷たい態度を取ってしまいました……私は最低です」 ギッ
絵里 「そんな……! ことりはあなたを助けたことを後悔していないはずだし、あの事故は海未が悪いわけじゃないわ!! μ'sのみんな、誰も海未を恨んでなんかいない。だから自分を責めるのは間違ってるわ!!」
海未 「……絵里、あなたは優しいんですね」 ニコッ
48: ◆OhwMOMnhjF9/[sage saga]
2020/10/30(金) 03:20:33.52 ID:f3OMVmU00
海未 「教えてください、絵里。ことりはまだ目を覚ましていないんですよね? いつ目を覚ますかは分かるのですか?」
絵里 「……残念ながらことりはまだ目を覚ましてないし、医者にさえいつ目を覚ますかは分かってないの。あとは本人の気力次第としか言えない状態が続いてるわ」
海未 「そうですか……。今、私はことりに会う資格なんかあるのでしょうか。いつも、いつも、少し歩けばことりのいる場所に辿り着いて、そしてそこで二人、楽しく喋ってました……ですがそれは全て幻覚でした。挙句に私は本物のことりとは向き合おうとしなかった。そんな私に、ことりのそばにいる資格があるのでしょうか……?」
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