11: ◆eodXldT6W6[saga]
2020/09/27(日) 23:44:13.82 ID:PHaCgA4wO
久住「あー、さっき言うとったな、SDGsやらなんやら。あんなんただの目標やん。意味ないで」
果穂「そ、そんなことないです! 地球を守るための大事な決まりごとなんです!」
久住「がっかりさせて悪いけどな、ほとんどの大人はそんな目標知らんで。知ってても守ってへんよ。決まりごとやなくて、目標なんやから。今日できへんことは明日しよーって、ずるずる先延ばしにするだけやで」
果穂「な、夏葉さんはちがいます! 放クラのみんなも、プロデューサーさんも……」
久住「その人ら、死ぬまで続けられるん? 十年、二十年かけて目標達成しても、はいそこで終わりちゃうで」
果穂「で、できます! みんな、すごい人たちなんです!」
久住「果穂ちゃんが言うならそうなんやろうな」
久住の同意に、果穂は正直、面食らった。考えなしに言った反射的な言葉が予想に反して効果を発揮したのだろうか。久住が主張を和らげたことに果穂はホッとし、安堵の笑みを浮かべそうになった。気が緩んで、額から流れる汗の感覚にこそばゆさが感じられた。このとき、果穂はまだ久住を親しみやすく朗らかに話す関西弁の青年だと信じていたかった。
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