ロード・エルメロイU世の事件簿 case.封印種子テスカトリポカ
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名無しNIPPER
[saga]
2020/09/21(月) 20:34:10.86 ID:amUbMXcr0
対照的に、警備員たちはこういう状況に慣れているらしかった。つまりは、共犯者が現れたらどうするか。
「なにぃ、ボスだとぉ!?」
銃の照準をこちらに向けてくる彼らに、反射的に両手を挙げてしまう。
「ち、違います!」
困った。霊体相手ならともかく、人間に拳銃を向けられた時の対処法など習っていない。アッドを使えば制圧は可能だろうが、論外である。師匠は相変わらず気絶しており、いつものように答えを教えてくれはしない。
「今だガオ!」
代わりに答えを示してくれたのはティグレだった。ただし、言葉ではなく肉体言語での回答だ。
銃の照準が逸れた一瞬で、バン・ブレードを二閃。二重の炸裂音。倒れ伏す警備員。
「あ、あの! なんだかとんでもないことになってませんか!?」
「わっはっは。ナイスアシストだぞシンデレラ!」
「し、しかも拙が協力したみたいに――あ、あれ!」
人ごみの向こうに見える、こちらに向かってくる濃紺の制服の一団を指さす。
こちらの指摘に、ティグレは緊張感に欠ける仕草できょとんと小首をかしげて見せた。
「あれ、不味いと思う?」
「とても不味いと思います!」
「なるほど。うむ、それでは逃げるぞシンデレラよ! ガラスの靴に注意せよ。証拠を残すなぁー!」
床に転がっていた師匠を軽々と担ぎ上げると、ティグレは迫りくる警備員たちと逆方向に猛然と走り出した。
しかも速い。いかに師匠が成人男性としては軽めであるとしても、人一人を担ぎながら、短距離走のオリンピック選手並みの速度を出している。
「ま、待ってください!」
師匠を連れて行かれてしまっている以上、こちらも追うしかない。ばれない程度に魔力を巡らして追走する。
ティグレは完全にテロリストか何かの扱いで、彼女が近づくと人々は悲鳴を挙げながら道を開けた。その後を走るので人ごみを掻き分けるようなことはしないで済んだものの、精神的にはかなり辛い。すみませんすみませんと小声で謝りながら駆け抜ける。
自分達を迎えに来てくれたという支部長のことを思い出したのは、空港の出口をティグレに続いて突破する時だった。
「あの! 支部長さんが置き去りに!」
「馬鹿者っ! 奴の覚悟を無駄にする気ガオ!?」
「え、ええっ!?」
「すまない……お前のことは忘れないガオ! えーと、何か仕事くれた人!」
「既にかなり曖昧では!?」
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