僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 20:19:49.90 ID:ZPljtdP8O
「ではこうしよう。私の真似をしろ」
「お前の真似を……?」
「そうだ。立ち居振る舞いから、そっくりそのままトレースしろ。立ち合い以外でもだ」

犬が変態魔女といちゃこらしていたその頃、少女と白い姉弟子は新たな修行法を模索して、懸命に試行錯誤を繰り返していた。

「目線が違う! どこを見ている!」
「そんな無茶な!?」

やれ指先の角度が違うやら、やれ歩幅が違うやら、あれこれ細かく指摘された挙句、とうとう目線にまで口を出されていい加減嫌になってきたが、これがもっとも重要であった。

「相手の足運びを見ることは重要だが、常に全景を視界に入れろ。景色が変わる筈だ」

言われてほんの僅か目線を上げる。
これまでは足運びばかり注視していた。
しかし、同作の起点は足だけではない。
腕の振り、身体の僅かな揺れ、呼吸。

景色が違ってきた。目から鱗が、取れた。

「よし! わかってきたようだな?」
「ふん! すぐに追いついてみせるさ!」
「抜かせ! 目の前しか見えてない小娘が!」

それでいい。望むところである。
目下の目標は飼い犬の奪還だった。
故に少女は手を伸ばす。その先を目指して。


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