僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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29:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 20:24:04.02 ID:ZPljtdP8O
それから数日が経過して調理室にて。

「さあ、わんちゃん。試してみてください」
「よし……これでどうだ!?」

充分魔素を集中してから放出する。しかし。

「ん……また失敗しちゃいましたね」
「ご、ごめん! 痛かったか……?」

魔法は上手くいかず、失敗した。
魔女の白い肌が鬱血して、青い痣となる。
かなりの激痛だろうに、魔女は一切そんな素振りを見せずに杖を振り、痣を消した。

「はい。もう一度です」
「も、もう一度って、これまで何度やっても成功した試しなんて……それなのに」
「成功するまでやるんです」

何度やっても上手くいない。自信を失う。
魔女は魔法はイメージが大切だと言った。
しかし成功するイメージが湧かなかった。
何度やっても失敗すると思っているのだ。
だから上手くいかない。だから失敗する。

「やっぱり俺には魔法なんて……」
「わんちゃんには出来ますよ」

挫けそうになる犬を、魔女はそっと支える。

「だってこんなに優しいじゃないですか」

失敗のたびに魔女を痛めつけてしまうことを忌避する。その思いやりの心が魔法使いの素質なのだ。
それが欠落している者は魔法使いではない。

「わんちゃんならきっと、誰よりも優しくて偉大な魔法使いになれますよ。他でもない、凄腕のこの私が保証します」

根も葉もなく、根拠もなく、そして相変わらず要領を得ない励ましの言葉を送る魔女は現在、半分露出した尻を少年に向けており、良いことを言っているのに全部台無しだった。


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