僕っ娘剣士「黙れ犬!僕を女扱いするな!」少年「でも、お嬢は女だし……」
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19:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/19(土) 19:57:04.12 ID:ZPljtdP8O
「おや? ご自慢の飼い犬はどうしました?」
「どうでもいいだろ」
「ははあん。さては逃げられましたね?」
「黙れ! さっさと稽古をつけろ!!」
「ふふふ。これは相当荒れていますねえ」

その日から、少女は犬を引き連れずに道場へと通った。師匠は何もかもを見透かしたような顔をして、ひとしきり弟子を揶揄ってから、おもむろに手を打ち鳴らして人を呼んだ。

「さあ、弟くん。出番ですよ」
「師よ。何なりとお申し付け下さい」
「この子の新しいパートナーに任命します」

呼びつけたのは『白い』生徒だった。
白いとしか表現することが出来ない。
髪も肌も白くまつげや眉毛まで白い。
おまけに腰に下げた剣すら白かった。

「ご命令とあらば。しかし、師よ」
「はい。なんですか?」
「師はこの者が私の相方に相応しいと?」
「不満ですか?」
「…………………」

白い生徒は口では不満を漏らさなかったが、その表情はあからさまに嫌そうだった。

「ふふふ。もしも不満があるのでしたら、この子を自分に相応しい水準まで引き上げてみなさい。それもまた、修行の一環ですよ」
「……はっ」

不承不承に肯く白い生徒。不満は伝播する。

「さっきから黙って聞いていれば、好き放題言ってくれるな! おい、そこの白いの!」
「白いの、だと? 口を慎め妹弟子が!!」
「うわっ!?」

いつの間に剣を抜かれたのか。
白銀の切っ先が目と鼻の先にあった。
白い生徒はどうやら兄弟子らしい。


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