66: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/19(土) 15:25:39.94 ID:+7YhSCXJ0
少し朦朧とした頭で、清良ちゃんの言葉を反芻する。
そうだ、ここで例えばちひろさんが救急車を呼んだとする。そうすれば私は、どこかの総合病院に担ぎ込まれることになる。マンション界隈は大騒ぎになるだろう。
そして、それをマスコミがかぎつければ。
トップ記事の、できあがり。
「ほんとに……ありがとう、清良ちゃん」
「いいえ、ちひろさんの機転にお礼、言ってくださいね」
「ええ。ちひろさん、ありがとう」
「いえ、ほんとよかったです。あと、病院は私がいいところを知ってますから。今日はそこに行きますからね」
「え、でも。今日は」
「ここに来る前、レッスンはキャンセルしておきましたから。観念して私と、病院に行きましょうねー」
どうやら有無を言わさず、私は病院送りにされるらしい。彼女たちの配慮に、私はほっとする。
ちひろさんの言葉を聞いて、私は少し眠くなってきたらしい。
「もう少し、休んでもいいですか?」
「はい、午後になったら行きましょうね」
誰かがいる安心。私は久しぶりに眠った、気がした。
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