65: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/19(土) 15:25:12.33 ID:+7YhSCXJ0
気が付くと、私はベッドに寝かされていた。見たことのない天井、のわけがなく、ここは私の寝室だった。
「気が付きました?」
声のほうを向けば、ちひろさんがそこにいた。
「あ」
「ほんと、びっくりしましたよ?」
「そうそう。ほんとよかった」
ちひろさんとは違う声がする。少し顔を上げると、清良ちゃんが一緒にいた。
「ああ、清良ちゃんまで……ごめんなさい」
「いいんですよ。あ、無理に起きちゃダメね」
清良さんは私を寝かしつける。
「ちひろさんから急に電話をもらって、大変! どうしたのかしらって思ったけど。でも、頭も打ってなかったみたいだし、顔色も悪くなかったから、とりあえず寝かせて様子を見ましょう、って」
「……清良ちゃん」
「過呼吸を起こしたんじゃないかしら。なにか心配事でも?」
「……」
答えられない。心配事と言われても、私には思い当たる節がない。
清良ちゃんはなにかを察したのか、柔らかい笑顔を向け、こう言った。
「でも、どこか悪くしているかもしれないから、今日中に病院に行ってくださいね? あと」
「あと?」
「トップアイドル高垣楓が緊急入院、なんてことになったらそれこそスキャンダルですよ?」
「……ああ」
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