高垣楓「あなたがいない」
1- 20
57: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/18(金) 22:41:45.02 ID:QGubcxXe0

 味覚が安定しない。自分の舌は、どうなってしまったのか。
 不安な気持ちが膨らんでいく。
 私は慌ててキッチンへ戻り、コップに水を汲む。やわらぎ水で口をリセットし、お酒を呑み始めた。

 先ほどよりはましになった気がする。
 私は安堵した。やはり疲れなのだろうか、ベテラントレーナーさんもマネージャーさんも、私に休むよう進言してくれる。
 そうね、お酒をゆっくりいただいて、ゆっくり休んで、明日の英気を養いましょう。
 水を挟みつつ、私は結局四合瓶ひとつ空けることとなった。
 あまり酔った気がしない。もう少しなにか呑もうか。
 ロック用に置いてあるラムが、冷凍庫に鎮座している。私はこれを取り出して、ショットグラスに注いだ。
 ぐいっ。氷も入れない刺激物が、私ののどを焼く。
 うん、今日はこれでお開きにしよう。明日の仕事のことを考えつつ、私はテーブルを片づけ始めた。

 ベッドに潜る。眠くない。
 まああれだけお酒を入れたし、そのうち眠くなるだろうと思いながらも、私の頭はさっぱり茹だっていなかった。そう言えば。
 最近私は、いつ『酒あわせ……』と言っていただろうか。
 ふと、そんなことを、思った。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
216Res/171.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice