高垣楓「あなたがいない」
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150: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/22(火) 21:46:17.10 ID:CC20O+KU0

 一週間後。
 ちひろさんは約束どおり、うちにやってくる。

「今日からしばらくお世話になります。よろしくお願いしますね」
「いえ、こちらこそ。お世話になります」
「そうですね。お世話します。うふふ」

 ちひろさんからそう言われ、私は苦笑する。
 ともあれ、ちひろさんがやってくる準備として、家の中をきちんと掃除できたことは、褒められてもいいかもしれない。
 とにかくこの一週間、薬が変わったことでかなり体調がすぐれなかったのだ。

 まず食欲が落ちた。
 食べようとする気力が萎えてしまう。したがって「食べなくても、いいかな」となる。
 以前のように食べようと努力すればいいのかもしれないけれど、とにかく気力が続かない。

 食べるだけじゃない。
 なにか行動を起こすにも、気力が湧かない。私はどうなってしまったのだろう。
 薬を飲んでこの調子では、私はますますダメになってしまうのではないか。不安が拭えない。
 そんな状態なので、掃除ひとつでも私は、自分なりにかなり頑張った気がするのだ。よくやれたとすら思っている。
 次の診察で、先生に薬を戻してもらおうか。私はそんな風に考えていた。




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