高垣楓「あなたがいない」
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116: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/21(月) 22:59:52.09 ID:brMXuKjJ0

 私は、薬を飲む。
 泣きはらして多少は、心が軽くなったかもしれないけれど。日々は変わることなく、流れていく。
 私の調子は一進一退というところで、決して芳しいとは言いにくい。それでもライブはやってくるわけで。

「はーい、楓さん。今日はこのくらいにしましょう!」
「……はあ、はあ……ありがとうございました」

 レッスンは休むことなく続けられた。
 ライブスタッフの対応はいつもと変わりなくて、私は瑞樹さんが約束を守ってくれていることを理解した。そのことに感謝しつつ私は、ライブの完成度を上げていく。
 もうすぐ、あと少し、と。私たちが納得いく仕上がりになり、ついに。
 ライブの日が、やって来た。

―― ※ ――




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