55:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:05:04.98 ID:EGkFzpej0
「なんでそんな無茶しようとするんだ。大体お前はいつも可奈と喧嘩してただろう!」
「本気にならないわたしにも可奈は真っすぐ向き合ってくれてたんだよ」
人間界出身のわたしをどう扱うかみんなが戸惑う中、可奈は最初からニンゲンの素人だといいながらも真っ向から一人の人間としてぶつかってくれた。
56:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:09:12.89 ID:EGkFzpej0
「そもそも行くってどうするんだよ。魔王城なんていろんな魔法に妨害されて見えてる方に向かったって中に入れやしないぞ」
ホウキで飛んでいくだけじゃダメなの!? どうしよう。
「あれー? あなたは? こっちにおいでー」
57:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:16:49.09 ID:EGkFzpej0
「安心するがいい。お前以外もすぐに逝く。寂しい思いはさせない」
「あーら。ありがとう。あなたも追いかけてきてくれるのね。ただ生憎だけど天国と地獄じゃ会えないわよ」
せめて最後まで目を逸らすものか。魔王をにらみつける。
58:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:22:37.50 ID:EGkFzpej0
魔王から少し距離をとったところでホウキに乗った翼が手を放し私は地に足をつけた。
「そもそもどうやってここまで来たのよ」
魔王城には普通の手段では入ることすらできない。私がやったように魔王そのものの魔法を利用するか、どうにかして魔法を無効化するか。
59:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:26:35.91 ID:EGkFzpej0
「それだったらなおさらこんなところに来たらダメでしょ!」
「え? だって来なかったら可奈がいなくなっちゃうでしょ。そんなのつまらないもん!」
「あーはっはっはっ!」
60:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:32:28.42 ID:EGkFzpej0
「英雄の末裔と選ばれし少女の共闘か。だが、切り札がすべて不発に終わった貴様らが揃ったところで我に敵うとでも?」
魔王が悠々と飛んでくる。
わざわざ私たちの会話を待ってくれてたらしい。余裕の表れだろうけど勝ち誇りすぎなのよ。
61:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:36:43.02 ID:EGkFzpej0
「いい。一発で決めるわよ」
翼に魔王と長時間やり合う技術はない。
私に魔王の防御を崩す火力はない。
62:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:39:30.42 ID:EGkFzpej0
それは魔王と戦う前のやよいおばあちゃんに持つように言われたもの。
幼いころの私、いや少し前までの私はそれをちゃんと理解してないままだった。
それでも不完全なままでもみんなを守りたいと小さいころから磨き続けた。
63:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:47:07.04 ID:EGkFzpej0
「なぜ、真っ向からのぶつかり合いで我が魔法が弾かれる! 半人前の魔法使いごときの魔法に!」
攻撃が防がれ続けることに初めて魔王が焦りを見せる。
だれにも負けないおまじない。それは一族の使命を自覚するより先に私が目指した私だけの魔法。
64:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/10(木) 01:52:36.26 ID:EGkFzpej0
>>63の修正
「なぜ、真っ向からのぶつかり合いで我が魔法が弾かれる! 半人前の魔法使いごときの魔法に!」
攻撃が防がれ続けることに初めて魔王が焦りを見せる。
65:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/10(木) 01:56:14.62 ID:EGkFzpej0
私たちが放った魔法は同時でなく私の魔法が先行していた。
「防御に気を取られて攻撃魔法に回す魔力が不足、その上タイミングまでずれた。最後の最後で失敗したな! 英雄の末裔よ!」
先に私の魔法を迎撃した後に、そのまま翼の魔法を拡散させるつもりだろう。魔王が吠えながら私の魔法を受け止めようとする。
75Res/52.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20