1: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:38:29.14 ID:/m/aRjWZO
P「……というわけで今回の企画の説明は以上だ。ここまでで質問はあるか?」
智代子「いえ、大丈夫です」
P「そうか。今回の仕事、智代子ならできるって信じてるぞ」
智代子「はい!」
智代子(信じてるぞ、なんて……)
智代子(プロデューサーさん……えへへ)
P「どうした、顔が赤いぞ。熱でもあるんじゃないか?」
智代子「え! そ、そそそそんなことないですよ!?」
P「そんなこと言って、額まで真っ赤だぞ」ピト
智代子「〜〜〜〜〜〜ッ!!」
P「っと、すまん。いきなりでびっくりさせちゃったな」パッ
智代子「い、いえ! 全然平気です!」
P「そうか、夏風邪は長引くからな。スケジュールに無理が出ないよう気をつけてくれ」
智代子「は、はい!」
P「俺はそろそろ次の営業に行ってくる。今日はゆっくりな」
バタン
智代子「……」
智代子「プロデューサーさん……へへ」
凛世「…………」ジ-...
智代子「…………はっ!」
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2: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:41:14.56 ID:/m/aRjWZO
凛世「じーー……」
智代子「り、凛世ちゃん、これはね」
3: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:43:57.62 ID:/m/aRjWZO
凛世「それは、どういうことでしょうか……?」
智代子「あ、えーと……」
智代子(ど、どうしよう……! 思わず変なこと口にしちゃった……!)
4: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:46:03.20 ID:/m/aRjWZO
凛世「プロデューサーさまは以前、仰いました……」
凛世「凛世はもっと欲張りになっていいのだと……」
凛世「大切な友、プロデューサーさまへの想い、どちらも捨て難きものなら……」
5: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:47:58.22 ID:/m/aRjWZO
夏葉「智代子、凛世、本気なの? プロデューサーと3人で恋人になるっていうのは」
智代子「う、そ、それは」
凛世「はい……智代子さんと互いに話し合い……決めました」
6: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:50:13.99 ID:/m/aRjWZO
智代子(だったら私も、弱気なんか見せられない!)
智代子「……私も、凛世ちゃんと一緒! 凛世ちゃんもプロデューサーさんも、どっちも大事だもん」
夏葉「そう、2人とも決めたのね」
7: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:52:32.30 ID:/m/aRjWZO
夏葉「どうしてかしら? 勇気が出ない? ダメよ、それは自分で伝えないと」
凛世「それなら尚更……行くべきではないでしょうか」
智代子「え、ど、どうして!?」
8: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:55:01.06 ID:/m/aRjWZO
智代子「今の夏葉ちゃんは何かを我慢してるように見えるよ! さっきの言葉だってまるで自分に言い聞かせてるみたい」
夏葉「……っ、智代子。くどいわよ」
凛世「凛世も、智代子さんと同じでございます……」
9: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 19:57:54.88 ID:/m/aRjWZO
夏葉「だから私のことなんて気にしないで、二人は──」
凛世「……ジムは櫛を贈るために時計を、デラは鎖を贈るために髪を売った」
夏葉「……!」
10: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:01:34.40 ID:/m/aRjWZO
夏葉「ところで二人とも、プロデューサーを攻略するために何か作戦は練っているのかしら?」
智代子「作戦?」
夏葉「あら、無策のまま当たって砕けるつもりだったの? それじゃ二人とも玉砕よ」
11: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:07:50.81 ID:/m/aRjWZO
智代子(よ、よりによって一番聞かせちゃダメな子が来ちゃった!)
果穂「ただいまお仕事からもどってきました!」
凛世「果穂さん、お疲れ様です……」
12: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:10:20.37 ID:/m/aRjWZO
果穂「あたしもプロデューサーさんのことが大好きです! だから一緒にプロデューサーさんの所へ行きたいです」
智代子「そ、それは……」
夏葉「……それはできないわ」
13: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:13:18.78 ID:/m/aRjWZO
夏葉「智代子それは……!」
智代子「だってこんなのって不公平だよ。私たちも果穂もおんなじ気持ちなのに、果穂だけ置いてっちゃうのは」
夏葉「でも、」
14: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:16:17.93 ID:/m/aRjWZO
樹里「待て待て待て待て! お前ら何考えてんだ!」
智代子「樹里ちゃん、いたんだ」
樹里「3人でどーのこーの言ってたから隠れて聞いてたら、どんどん話がヤバイ方向に進んでんじゃねーか!」
15: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:18:14.28 ID:/m/aRjWZO
夏葉「アイドルだから、関係を壊したくないから、誰かが想っているから……私は踏み出さない。今のままで十分って思ってた」
夏葉「だけどそれじゃダメって、凛世と智代子に諭されたわ。その我慢が、身を引くことが凛世たちの心残りになってしまうって」
夏葉「だから私は進むわ。きっと難しい道のりになるけどね」
16: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:21:33.26 ID:/m/aRjWZO
凛世「これで、放クラの皆さんが揃い踏み……」
智代子「あれよあれよという間に全員になっちゃったね」
夏葉「いいじゃない、私たちっぽくて」
17: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:23:39.28 ID:/m/aRjWZO
果穂「大丈夫です。熱中しょうにならないように水分もちゃんと取ってきました」
P「そうだな、この時期はこまめに水分を取るんだぞ。ついでに右腕を離してくれ」
智代子「プロデューサーさんこそ、熱中症には気をつけてくださいね」
18: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:26:53.77 ID:/m/aRjWZO
夏葉「観念しなさいプロデューサー、あなたは放クラみんなのものになるの。これは五人全員了承済みだわ」
P「俺の了承が抜けてるぞ」
智代子「それをこれから頂くんですよ」
19: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:30:47.51 ID:/m/aRjWZO
──チュンチュンチュン
凛世「……」ツヤツヤ
智代子「……」ツヤツヤ
20: ◆qtcDIIgo6k[saga]
2020/08/29(土) 20:33:42.95 ID:/m/aRjWZO
今日のことわざ
【船頭多くして船山に上る】
指図する人が多くて物事がまとまらず、とんでもない方向に進んでゆくことのたとえ。
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