3: ◆yufVJNsZ3s
2020/08/11(火) 23:22:45.67 ID:AVuudPRF0
イクが裸足をぺたぺた鳴らして近寄ってくる。スクール水着。科学の粋を集めて作られた特製仕様。僅かに肌や髪が濡れているようにも見える。シャワーでも浴びていたか、海に潜っていたか。
しゃり。随分と柔らかくなったアイスキャンディの音。少し大きめに噛み砕いた破片を、イクはその口の端に咥えて、首の角度を九十度、俺と合うように傾げた。
少しぽってりとした、厚みのある唇が、アイスキャンディの破片とともに俺の口元へとやってくる。俺は拒まず、寧ろ積極的に受け入れるようにその破片を啄み、偶然を装って彼女の唇を、そしてその奥の舌さえも啄んでみる。
あちらもまた拒まなかった。破片が互いの口のちょうど間で急速に溶けていき、その際に俺たちから熱は奪われているはずなのに、不思議とそんな気はしない。
すっかりと溶けて小さくなった欠片をイクが最後に舌で押しやり、俺の口の中へと納める。彼女の舌はところどころ冷たく、ところどころ熱い。
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