夜叉神天衣「……気が済むまで、踊ってあげる」名人「それは楽しみだ」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/08/10(月) 20:50:38.42 ID:WY8AjuAdO
「君は日頃からこの将棋の研究を?」
「は、はい…… 暇さえあれば」
「素晴らしい。流石は竜王の弟子だね」

はて。一体私は今、何を褒められたのか。
定かではないが、なんだかじんわり嬉しい。
少なくとも、この人は先生をコテンパンに負かしたこの一局に研究の価値があると思ってくれているわけで、それが誇らしいのだ。

そしてそれは同時に大人のズルさでもある。

「あの、もしもよろしければ、その……」
「ん? ああ。君さえよければ、こちらこそ、よろしくお願いします」

私は子供で単純な物の考え方しか出来ない。
褒められれば嬉しいしもっと褒めて欲しい。
もしも自分の研究を見せて、それが評価に値するものだったらと、ついそんな欲が出てきてしまう。
八一は素っ気なく褒めてくれるが、この人はどうだろう。それがつい、気になった。

「では、この局面から……」
「おや? あの台詞は言わないのかい?」

やはり罠。罠だとわかった上で乗ってやる。

「……気が済むまで、踊ってあげる」
「それは楽しみだ」

本譜から外れた私は名人に研究を披露した。


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