9: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:28:11.83 ID:S7yVE8bX0
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宛もなく走って、疲れたら歩いて、風景に対してあれこれと感想を言い合いながら進んでいるうちに、やがていかにもな外観のハンバーガー屋さんに行き当たる。
それを見るなり私もプロデューサーも「これはハワイアンなやつで間違いない」と一致する。
そのまま迷いなくお店に入り、メニューに一番大きく写真が載っていたハンバーガーのセットを注文した。
そうして店員さんが持ってきてくれたハンバーガーは期待どおりの見た目で、輪切りのパイナップルやら何やらがみっちりと入っていて分厚い。
プロデューサーはそれをノータイムで鷲掴みにしてかぶりつく。
その豪快な食べ方に倣って私も精一杯口を開けてかぶりついてみたものの、残念ながら彼のようにはいかず口元を汚してしまう結果となった。
「小顔の美人もこういう場面では、損か」
私の醜態を見て、彼はけたけたと笑ってくる。
それにかちん、と来た私は足をぎゅうっと踏んでやった。
「いつもと違って今は素足なんだから加減してくれ」
「加減したらいいんだ」
「なんだかんだ、嫌いじゃない」
「……うわ」
「素でドン引きするのやめて」
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