4: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2020/08/09(日) 23:24:11.46 ID:S7yVE8bX0
そうして、ああだこうだとばかみたいなやり取りを繰り広げつつ事務所の中を歩き、食堂へと私たちはやってくる。
「プロデューサーさん、帰ってきたんですね」
「そうなんです。だめだ、って言ったのについてきて」
「じゃあ、プロデューサーさんはメロンはなしですね」
「えー! そこをなんとか!」
「私に言われましても……凛ちゃんが持って来てくれたメロンなので」
「凛! お願いします!」
「切ってくれたのちひろさんだから、ちひろさんがいいって言うならいいよ」
「じゃあ、今度はプロデューサーさん主催でお茶会開いてくださいね」
「もちろんです。おいしいケーキをご用意します」
「参加を許しましょうか、凛ちゃん」
「ですね」
ちひろさんが用意してくれた席に私とプロデューサーは並んで座り、橙色に瑞々しく輝いているメロンを前にする。
「うわ。高そうなメロンだなぁ」
「ですよね。凛ちゃんほんとによかったの?」
「はい。もう一玉あるので、そっちは両親にあげようかな、って」
「ほんっと、凛ちゃん良い子よねぇ」
「自慢の担当アイドルです」
「はいはい。そういうのいいから……わ。これめちゃくちゃおいしい」
「メロン食べてる凛ちゃん、写真撮ってもいいですか?」
「俺にも後で送ってください」
私をよそに、大人ふたりは私を囲んで子供みたいに盛り上がる。
今更何か言ったところでこのふたりが止まるはずもないので、私は紅茶とメロンに集中することにした。
そのようにして黙々とメロンを口に運んでいた私に「そういえば」とちひろさんが言う。
「凛ちゃん、お誕生日はプロデューサーさんとお出かけするのよね」
「あれは勝手にプロデューサーが言ってるだけで、私もさっき知りました」
「えっ……プロデューサーさん、何してるんですか?」
「毎年のことだし、いいかなぁ……なんて……」
「凛ちゃんはいいの?」
「えー、っと。まぁ内容次第かな、と」
「プロデューサーさんは凛ちゃんをどうやってお祝いするつもりだったんですか?」
「それが……あはは、何も決めてなくて」
はぁ、と呆れてため息を吐くと、ちひろさんが「ほら、凛ちゃん呆れちゃってるじゃないですか」とプロデューサーを叱る。
大人が大人に懇々と諭されている姿はなんだかシュールだ。
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