39:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:35:40.66 ID:qe4+sBJv0
「ハァーイ、ヨハネ。」
白い月が殊更大きく見える晩だった。
「久しぶりね、マリー。」
彼女に見透かされてしまうような気がして、白い花の冠は枝の奥にかけてある。
「なんだか寂しくなって、来ちゃったのよ。」
「らしくないじゃない。」
少し茶化したように言ってみたが、目の前のマリーはヨハネが見たことないような沈んだ顔をしていた。
「……なにがあったのかは知らないけど、気晴らしに散歩でもしましょ。」
「ちょっと気分がのらないだけよ。優しいわね、ヨハネは。」
「あ、当たり前じゃない!」
あたふたするヨハネを見て、マリーはいつもの笑みを浮かべる。
「相変わらず褒められ慣れてないところは可愛いわね〜」
「追い返すわよ?」
「ごめんごめん……冗談だって。」
いつもの調子を取り戻したマリーと膨れっ面のヨハネはふわりと空に舞い上がる。
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