38:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:33:47.55 ID:qe4+sBJv0
今日もまた、頭の上で揺れるシロツメクサの冠が見える。
あれを被ってきたときは、私と遊ぶ合図の様なものになっていた。
「このシロツメクサの冠ね、ルビィちゃんが褒めてくれたんだ。」
「良かったじゃない。それにしても、ルビィってあのときのピンク色の髪の子?」
「そうだよ!私の一番の友達なんだ!」
嬉しそうに話す花丸の冠は若干萎れかかっている。
作ってからだいぶ時間が経っているし、当然だ。
「段々枯れてきちゃったわね。今日は新しいもの作りに行く?」
「行く行く!ヨハネちゃんのお花は長持ちしてるね〜。」
確かに自分の冠を見てみると、その葛は一向に擦り切れる気配もないし、花弁は野に生えているかの如く凛と咲いている。
「けど、私も新しいものを作るわよ。今度はネックレスにでもする?」
「髪の色と合ってるねっておばあちゃんも褒めてくれたから王冠がいい!」
他愛のない会話を続けながら歩き出そうとしたとき、ふとヨハネは茂みに手紙が括り付けられていることに気づいた。
手を伸ばすと、そこにはよく見知った字でこう書かれていた。
『チャオ〜☆
元気にしてるかしら?
暇だし、今晩遊びに行くわね〜
マリー』
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