62:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:14:51.87 ID:W5lmC8VA0
「あはっ♪ なぁんだ」
それならそうと言ってくれたらいいのに、と悪い癖でまた茶化してしまうと、藍子ちゃんは頬を掻いた。
「言いたくないご事情があったのかなぁ、って……それで、深入りしませんでした」
「……うん」
私は、月明かりに照らされた裸婦像を見上げた。
「胸を張って、言えなかったんだと思う。
実際、もう辞めるんだって、私は心に決めていたから」
「アイドルを、ですか?」
珍しく驚きの声を上げた藍子ちゃんに、私は目を合わせないまま頷いた。
「今は、分からない……。
アイドルを続ける中で、私の夢を見出せるのか……まずはそれを、今度のオーディションで見つけたいかな」
「見つからなかったら……辞めちゃうんですか……?」
「というか、ね」
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