61:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:12:19.02 ID:W5lmC8VA0
「今日は藍子ちゃんに、私の自己紹介をしたいなと思ったの」
「自己紹介?」
「ロクに私のこと、教えてこなかったでしょう?」
そう言って誘い笑いをしてみせると、藍子ちゃんはちょっと小首を傾げた後、握り拳を口元に寄せてフフッと笑った。
「楽しみです」
いつものように、彼女は微笑んだ。
この優しくて柔らかくて、穏やかな微笑みに、私は救われたのだと気づかされた。
それなのに、私はまともに向き合おうともせず、茶化してばかりで――失礼だっただろうな。
「私も、アイドル……今度のオーディション、私も出るの」
「知っています」
藍子ちゃんは、表情を崩さずに言った。
「私のプロデューサーさんが、当日のオーディションの参加者について教えてくれて……それで、知りました」
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