8:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:29:03.91 ID:pCrOcsWZO
「なるほど……流石は橙子さん。そうすれば、式は大人しくなるのか。勉強になるな」
「黒桐はもう少し女の扱いを勉強したまえ」
何を感心しているんだ、この男は。
今にもメモを取り出しそうなくらい熱心に見学している幹也はデリカシーに欠けている。
こういう部分がこいつの足りないところだ。
「幹也、あまりジロジロ見るな」
「あ、ごめん。つい、式が可愛くて」
こういうところも良くない。最悪だ。
さも当然のように可愛いとか言うな。
そう言われてオレが喜ぶような性格ではないことを知ってる癖に、どうして口にする。
ジト目をしつつ、逆に問いかけてやった。
「幹也はイケメンと言われたらどう思う?」
「え? ひとまず何か裏があると疑うかな」
「ならひとに同じことを言うのはやめろ」
「なんで? 僕は全然イケてるメンズではないけど、式は可愛いじゃないか。だから僕は」
「うるさい! もうあっちいけ!!」
こいつは本当にこれだから。まったく。
これさえなければ、オレだって少しは。
ほんのちょっとは、素直になれるのに。
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