7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:27:35.38 ID:pCrOcsWZO
「お前は本当に難儀な性格をしてるね、式」
「ほっといてくれ」
「命を奪わずにはいられず、かと言って命なき物も愛せない。それはとても辛いことだ」
知ったようなことを。とはいえ的確だった。
だから何も言い返せなくて、押し黙る。
そうさ。オレはおかしい。異常者なんだ。
「しかし、それはお前の優しさでもある」
ポンと項垂れたオレの頭に手を乗せてトウコが慰めてきた。幹也の前で子供扱いするな。
「命なき物を愛することが出来る程に逸脱してしまえば、それこそ終わりだからね。その境界で踏み留まっているお前は偉いよ」
「やめろ」
拒絶の言葉を口にするも、執拗に頭を撫でるその手を振り払うことが出来なかった。
こんなオレにすら理解出来るほどに、トウコの手つきは優しくて、温かったから。
だからされるがまま、オレは反抗を諦めた。
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