9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:30:59.28 ID:pCrOcsWZO
「黒桐。今のは君が悪いぞ」
「ちぇっ。はいはい。悪者は大人しく、コンビニでお詫びにアイスでも買って来ますよ」
「うむ。良い心がけだ。私はガリガリ君で」
「子供か、あんたは」
「なんだと!? 黒桐、君には当たりが出たらもう1本の楽しみがわからないのか!?」
「はいはい。ちなみに式は……」
「オレは要らない」
「いつものハーゲンダッツだね。了解」
要らないって言ってるのに。ああ、もう。
分からず屋の幹也め。なんだその笑顔は。
パシリの癖に何でそんな嬉しそうなんだ。
「じゃあ、行ってきます」
「さっさと行け」
「経費で買うなよ」
「ケチ」
軽口を交わして、幹也が伽藍の堂を出る。
室内にはオレとトウコが取り残された。
そこでようやく、さっきからうっとおしかった頭を撫でる手を払うことに成功した。
「触りすぎだ」
「お前の髪があまりに綺麗で、ついな」
「トリートメントなんてしたことないぞ」
オレの髪なんかよりも、トウコの少しくすんだ赤い髪のほうがずっと綺麗だと思った。
27Res/28.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20