十時愛梨「それが、愛でしょう」
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29:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/18(木) 18:07:07.83 ID:n4MKx+790
 ただ、何か違和感があるとするなら、彼女がプロジェクト初期からのメンバーではなく、新規スカウト枠として事務所に、プロジェクト・シンデレラガールズに後から所属したことだった。
 愛梨がグラビアクイーンとして天下を取った。
 そこにだって嘘も間違いもない。愛梨が映るポスターや写真はいつだって人気を博して、注目を集めてきた。何より、その功績こそ全て愛梨のものでも、そうなるように仕向けてきたのは僕自身に他ならないのだから。

 それでも、僕はそこに感じた引っかかりのようなものを拭えなかった。やっていたが元からグラビアの仕事なのだから考えすぎだと言われればそれまでの話だったし、実際、その時はそこまで深刻に捉えていなかったはずだ。
 だけど、十時愛梨が天下を取った最大の要因はグラビアにあると、シンデレラガールの称号よりも先に、グラビアクイーンの称号が、同じ商売の仕掛け人側にもいるアイドルの口から出てきたことは、結果からいえば、決して見逃してはいけないことだった。

 果たしてその後も、愛梨の路線は変わることはなかった。その中でバラエティ番組の司会を務めたり、仕事のバリエーションだって順調に増えていったけれど、世間の認識において、十時愛梨とは何か、ということを分析したときに真っ先に出てくるのは、いつだって彼女の歌より先に、グラビアだった。


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