高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「今日も、私とあなたとの時間を」
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101:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/10(日) 19:05:55.80 ID:WDIZ97tn0
「加蓮ちゃん」

時計の音さえも静まり返る中、私が名前を呼ぶと、加蓮ちゃんはぴくりと肩を震わせました。

「大丈夫ですっ。……そうやって不安に思うことは、私にもありますから」

思っていたのとは、違う言葉だったからでしょうか。ゆっくりと、顔を上げます。
それが……なんだか睨まれているように思えて、正直に言って、ちょっぴり怖かった。
でも、怖がっていたら、今加蓮ちゃんのことを分かってあげられる人はきっといなくなっちゃう。
……大丈夫。
覚悟は決めました。傷ついてでも、ちゃんと話そうっていう、覚悟を。

「うまくいっているからこそ、ですよね。失敗している時は……落ち込んだりするけれど、目標があるから、不思議と足を止めずに済むんです。でも、うまくいっている時は、そういうのもないから――」
「違うっ! ……だって……藍子は独りぼっちになったことがないから! こういう感覚なんて知らないでしょ!」
「……」
「分からない癖に分かるのをやめなさいよ! 知らない癖に、私のことに気付くの、やめてよ……!」

……私、ときどき、加蓮ちゃんのことが分かってしまって……普段は冗談で、その見抜くのをやめて、って言われたりするんですけれど。
分からない癖に分かるのを、知らない癖に気付くのを……。

そうですよね。
私と加蓮ちゃんとでは、そこがあまりにも違うんです。
だって私の側には、いつも誰かがいてくれるから。
加蓮ちゃんは……きっと、そうじゃない時間の方が長かったから。
それは今埋めているものだとしても、まだ埋めきったものではありません。


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