高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「今日も、私とあなたとの時間を」
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100:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/10(日) 19:05:26.45 ID:WDIZ97tn0
けれどその顔は、私が見たい顔ではありませんでした。

「ときどき、現実がぜんぶ嘘になってしまうような……そんな予感がして、ずっと拭えないの。ある時一瞬にして全部が終わっちゃうんじゃないかって」

ちいさな女の子が、お母さんとはぐれてしまって、探しているような顔。

「その時はきっと、藍子も隣にはいてくれないの。プロデューサーさんも、凛も奈緒も、他のみんなだって。……そんな未来なんて訪れる訳がないって、思えば思う程に、世界が真っ白になる想像がもっとリアルになるの」

なんの音もしなくなってしまったカフェを見渡して、掠れた声で。
「なんなんだろう」
と最後に言って、また俯いてしまいました。

得体の知れない不安を、どうすればいいのか分からないで、私にまで伝わってしまいます。
思わず、胸の前でぎゅっと手を握りました。そのまま、どこかへ消えてしまいそうな気持ちになって……。
でも、何も言わないでいると、加蓮ちゃんがいなくなってしまうような、そんな気すらしたんです。

答えは分からなくても、何かを言うことはできます。

だって加蓮ちゃん、何かを言ってほしそうにしているから。


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