もしもし、そこの加蓮さん。
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211:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 22:07:14.07 ID:GVB5f6680

 「ぜったい内緒だからね、卯月には」

 「加蓮が莉嘉にアタシの秘密とか訊き出そうとしなければね」

 「それは無理」

 「ちょっと」

心地良い疲労感を抱え、加蓮は立ち上がりました。
荷物を纏めて美嘉の後を追おうとし、つま先が何かに蹴躓きます。
足元を見てみても、トレーニングシューズに包まれたつま先以外は見当たりません。


 「加蓮ー? 置いてくよー」

 「あ……うん。いま行くー」

 「どうかしたの?」

 「いや、クラゲが居てさ」

 「……何の話?」

思い出話を語り合い、二人は更衣室へと向かいます。
あの日、床にへばりついていた液体生物は、
無事伸びてきた二本の脚で元気に歩いてゆくのでした。


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