もしもし、そこの加蓮さん。
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163:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:55:03.07 ID:XPAMg3p00

 「生きてぇ……」

 「うん。そりゃもう生きるよ。すっごいよきっと」

 「加蓮んん……」

 「はいはい。北条加蓮ですよー」


そのままだと本当に一時間は粘りそうだったため、
美味しそうなケーキが乾ききってしまわない内にと、
加蓮と凛はいっせーので奈緒を引き剥がしました。
べりっと音が聞こえそうなくらい、しっかりとくっついていました。

 「おいしい?」

 「うん……」

 「うんうん。たーんとお食べ」

まだしゃくり上げている最年長のお姉さんの口に二人がかりでケーキを放り込みます。

甘いものには魔法が掛かっていますから、
三人仲良くケーキを食べ終える頃にはもう、奈緒も何とか平静を取り戻していました。


そしてベタベタになったパジャマを指で指し示します。
奈緒がごめんと呟いて、加蓮は貸し一つねと返しました。

基本的に、加蓮の貸しは高くつきます。


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