もしもし、そこの加蓮さん。
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159:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:24:58.00 ID:XPAMg3p00

奈緒がくしゃみをして、
やべ、移ったかな、などとのん気にティッシュを拝借していると、
控え目なノックが響きました。

 「お邪魔しまーす。良かったら甘いもの、いかが?」

 「わー! いいんですか? やったぁ!」

 「こちらこそお邪魔してます。すみません、お気遣いを」

 「お母さん! こいつら猫! 猫被ってる! 特大の!」

 「もう。友達を悪く言うものじゃないのよ、加蓮」

 「いやいや加蓮には世話になってるんで。な、凛」

 「ね、奈緒」

 「あら……素晴らしいお友達じゃない。大事にするのよ?」

 「猫ですらない……狸ぃ……」

レッスンの成果が遺憾無く、偏りを伴って発揮された瞬間でした。
ドアが閉められるのを見届けると、奈緒は加蓮へ振り返ってウィンクをぱちり。
凛は、まだドアを眺めていました。

 「女狐め……」

 「猫なのか狸なのか狐なのかはっきりしてくれよ」

 「はぁ……まぁいいや。ケーキ食べよ」

 「それもそうだ。おーい凛」

 「加蓮」


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