87: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:26:52.83 ID:ECNFnKQ+0
ポケットに入っている、今朝の髪留めを手に取る。
俺には一生縁が無いであろう、淡い色の髪留め。
なら、それを何故俺が持っているのか。
88: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:27:38.69 ID:ECNFnKQ+0
身に覚えのないものだから、捨てれば良いのだが。
もしかしたら誰かのものかもしれない。
というか俺は、いつからこれを持っていたのか。
89: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:28:16.63 ID:ECNFnKQ+0
自分の席に座りながら、髪留めを眺める。
毎日の日常の中で、
この髪留めだけが違和感だった。
90: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:28:56.35 ID:ECNFnKQ+0
チャイムが鳴り響いて、今日も授業が始まる時間を告げた。
男「んー」
何の気なしに、伸びをした。
91: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:31:13.14 ID:ECNFnKQ+0
男「!?」
俺は勢いよく席から立ち上がった。
「ん、どうした?」
92: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:32:38.80 ID:ECNFnKQ+0
俺は毎日、次の日の授業の教科書を前日に確認して入れておく。
欠かさず行っていることで、これを忘れるようなことはない。
朝はできるだけやることを削ぎ落したい、その為にやっていることだ。
93: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:34:02.41 ID:ECNFnKQ+0
いよいよおかしい。
昨日の事を思い出してみようにも、全く思い出せない。
ご飯の記憶も、授業の記憶も、観たテレビも。
94: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:34:43.17 ID:ECNFnKQ+0
ガラッと教室の扉が開く音がした。
もう授業は始まっているのに、だ。
男「……!?」
95: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 21:36:05.12 ID:ECNFnKQ+0
いや、明らかに無視されている。
でも俺にはハッキリと見えている。
ただ誰かはわからない。
96: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:36:31.47 ID:ECNFnKQ+0
一限の授業が終わった。
俺は真っ先にさきほどの女の子の元に向かった。
男「……」
97: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 21:38:05.90 ID:ECNFnKQ+0
無視されるとばつが悪い。
男「えっと……」
ただ、この異常な空気の答えを知りたかった。
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