25: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/05(火) 17:16:02.21 ID:61fOSvZx0
俺には一つ上の姉がいる。
同じ学校で風紀委員であり、何故か学級委員を兼任する超優等生。
帰宅と同時に腕を組んで待っている姉に詰問されるのであった。
26: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/05(火) 17:17:11.74 ID:61fOSvZx0
姉「そのまま、帰ってきたと」
男「……仰る通りです」
姉「……それは?」
27: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/05(火) 17:31:01.68 ID:61fOSvZx0
姉「た、確かにそうですね……明日返しましょうね」
驚いた顔を落ち着かせ、姉は軽く息を吐いた。
男「もちろんです。明日返します」
28: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/05(火) 17:36:33.53 ID:61fOSvZx0
男「あっ……」
姉「落としましたよ……。ん……これは?」
男「え、えっと……さっき話した娘の髪留めです」
29:名無しNIPPER
2020/05/06(水) 15:49:27.38 ID:/PWZp3UR0
支援する
30: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/10(日) 20:59:58.54 ID:/922GZR/0
姉の影響で俺もずいぶんと真面目ではあるが、姉は特に筋金入りだ。
髪留めで何故「いやらしい」となるのかはわからなかったが、とにかく生真面目すぎる。
そんなことはどうでもよくて。
31: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/10(日) 21:03:08.88 ID:/922GZR/0
髪留めを手渡した彼女は、通称「不思議っ娘」と呼ばれていた。
ふわっとした癖っ毛で、常にボーっとした顔をしている。
人と話しているところはほとんど見たことがない。というか、ほとんど空気だ。
32: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/10(日) 21:03:38.24 ID:/922GZR/0
しかし、今日だけはやけに長い間居座っていた。だから、声をかけたのだが。
そして、帰路で姿をくらました。物音も立てずにだ。
男「そもそも明日、登校してくるのか?」
33: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/10(日) 21:08:06.36 ID:/922GZR/0
俺は電車通学をしている。
姉とは同じ学校だけれど、登校時間はズラしていた。姉の方が俺より早く登校する。
34: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/10(日) 21:21:32.22 ID:/922GZR/0
慌てて彼女のいるホームへと向かう。あっちは学校と逆だ。
この時間帯の電車を逃したら、間違いなく遅刻。
向かっている途中で、電車が到着した音が聞こえる。そして、乗客待ちの音楽が鳴りだす。
35: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/05/10(日) 21:48:29.99 ID:/922GZR/0
遅刻確定かと思いきや、急いでみるとギリギリ、遅刻を免れることができた。
汗はダラダラ、息は絶え絶えになりながら席に着く。そして、すぐにチャイムが鳴る。
男「はぁはぁ……えっ」
169Res/82.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20