125: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:33:37.24 ID:ECNFnKQ+0
父「もううんざりですよ、正直」
男「ま、待ってくれ」
父「?」
126: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:36:12.45 ID:ECNFnKQ+0
女「一つだけ、ある」
男「!」
不思議っ娘が口を挟んだ。
127: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:36:56.14 ID:ECNFnKQ+0
父「"素体"が申し上げているのは、
『再作成(リセット)の上書き』です」
再作成(リセット)の上書き。
128: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:37:26.81 ID:ECNFnKQ+0
父「『起因となっているあなた』と『起点以降の記憶を同期したあなた』は同一人物ではありません。よって、役割も変わります。
再作成(リセット)後の記憶を持った状態での再作成(リセット)はパラドックスが起きてしまうからです。
例えば私のように再作成(リセット)後にも記憶を保持している人間は、この世界設定からは蚊帳の外、というわけです。
129: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:40:14.05 ID:ECNFnKQ+0
そこはなんとなく理解できる。
おそらく、今回を除く88887回分の記憶を俺に入れるってことになるわけで。
1回目であろう記憶をさっき入れられただけでも眩暈、頭痛は相当なものだった。
130: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:42:15.16 ID:ECNFnKQ+0
男「わかった、じゃあ少しずつ俺の何万回分の記憶を入れてくれ。流石に一気は無理だ」
父「あなたがここに来た日、つまり今日の日付変更時に世界は再作成(リセット)されてしまいます」
男「? そうなのか」
131: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:44:12.90 ID:ECNFnKQ+0
父「パターンは二つ」
男「……」
父「記憶の同期が完了し、再作成(リセット)されない。
132: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:45:20.92 ID:ECNFnKQ+0
男「つっても俺は、また何も知らないまま、88889回目に行くんだろ」
父「そうですね」
88888回目の今の俺を犠牲にして。
133: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 22:45:51.61 ID:ECNFnKQ+0
男「もう一つ聞いていいか?」
父「はい」
男「再作成(リセット)を抜け出した後、あんた達はどうする?」
134: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:46:53.73 ID:ECNFnKQ+0
男「……成功したら、二つ、約束して欲しい」
父「はい」
男「一つは、あいつのことを"素体"と二度と呼ぶな。
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