19: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:30:57.42 ID:6AqSaR5m0
side story 2
『お さ そ い』
灯織:その、明日会えませんか?
20: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:31:57.11 ID:6AqSaR5m0
第三話『夢のための予算案』
21: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:32:25.24 ID:6AqSaR5m0
「……おかえりなさい」
「……ただいま」
22: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:33:01.87 ID:6AqSaR5m0
「……実は、相談があって」
「相談?」
「こ、今年で……付き合ってから3年目じゃないですか」
23: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:33:29.97 ID:6AqSaR5m0
「……なぁ、これ」
「よ、予算案です……!」
「なんの?」
24: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:34:04.40 ID:6AqSaR5m0
「ありがとう」
「へ?」
「嬉しいよ。ここまで真剣に考えてくれていたなんて。……正直、嬉しい」
25: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:34:37.26 ID:6AqSaR5m0
「だが断る」
「うあああああ!」
26: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:35:06.25 ID:6AqSaR5m0
「ひっぐ、ぐすっ、ひっ、なんでっ、だめなんですかぁ……!」
お互いに席に座り、俺は灯織の隣へ。
嗚咽を漏らしながら肩にすがりつき、今しばらく泣いている。ときどき漏れる言葉は俺への疑問であるとかひどいとか大体文句ばっかりだ。
泣いて赤くなった目でキッと睨まれると、例え身長差があってもたじろいでしまう。
27: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:35:41.39 ID:6AqSaR5m0
「灯織の大学はこの家と反対側だろ? 俺の家からとなると余計遠くなるし。そもそもご両親はこの事を知っているのか?」
「! は、はい……」
「……もしかして反対されてる?」
28: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:36:07.64 ID:6AqSaR5m0
「がんばりますからぁ……おっぱいも全部がんばりますからぁ……!」
「いやだからご両親」
「せっとくしますからぁ……!」
29: ◆3xQXQ8weeA[sage saga]
2020/04/06(月) 00:36:43.13 ID:6AqSaR5m0
ああ言えばこういうとはこのことだろう。というか理屈ではないのだ。
きっと、寂しいとか、色々あるに違いない。違いないのだが……少し、度を越している。ここまでしているからには、多分普段から色々と溜め込んでいたのだろう。
しかし、言わねばならない。今はそんなお金もないし。何より、このまま悲しい思いや寂しい思いをさせるわけにはいかないのだ。
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