34:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:57:03.28 ID:z07AMiQQO
「はい、ネギとろチャーシュー、お待ち!」
そんなことは知らぬが仏、紗夜の目の前には恋焦がれたラーメンがやってきた。お腹が『くぅ』となる。そいつを早く寄越せとせがんでくる。
35:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:57:31.53 ID:z07AMiQQO
目を細め、噛みしめるように最初の一口を飲み込んだ紗夜に、日菜はスマートフォンのカメラを向けていた。ラーメンを味わう、いつもとは違った、なんだか無防備で可愛げのある姉の姿を写真ではなく動画に収めていた。
日菜の前にも、もうラーメンは運ばれてきていた。だけど彼女はまだ食い気より姉。ラーメンより紗夜だった。
36:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:57:59.53 ID:z07AMiQQO
「おねーちゃん、ラーメン、好き?」
その激流に身を任せるうちに、ひとつの案を思い付いたから、日菜はそう紗夜に尋ねる。
37:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:58:27.42 ID:z07AMiQQO
『おねーちゃん、あたしのこと、好き?』
『そうね。好きよ』
38:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:59:13.99 ID:z07AMiQQO
「あたしも大好きだよ、おねーちゃんっ!」
「そう。やっぱり日菜は私の妹ね」
39:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:00:07.53 ID:z07AMiQQO
参考にしました
壱発ラーメン ippatsu.co.jp
D4DJ両日、アルゴナビス両日、メラドと、全てのライブで最速先行にてチケットが当選しました。コロナウイルスはさっさと終息してくれないかなぁと願う日々です。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:41:40.56 ID:z07AMiQQO
おまけ
氷川紗夜「双子葉」
41:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:42:25.93 ID:z07AMiQQO
冬の終わり、もうすぐ春になろうという三月の夜の空気は、どこか懐かしさを孕んでいるような気がした。自室の窓から外を眺めてそんなことを思ったのは、もう間もなく十代に別れを告げるからだろうか。
壁にかけた時計の針は、十時を半ば過ぎたところを指している。三月十九日と十九歳の夜がもうすぐ終わる。九十分後の三月二十日には、私は二十歳。名実ともに『大人』に分類されることになる。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:43:05.03 ID:z07AMiQQO
――コンコン、と、不意に響いたノックの音に、頭に浮かぶ過去の風景画が色を失う。
「おねーちゃーん、まだ起きてるよねー?」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:43:33.60 ID:z07AMiQQO
「お酒、買えたの?」
「彩ちゃんに買ってもらった!」
44:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:44:02.40 ID:z07AMiQQO
「随分買ってきたわね」
「せっかくだからね!」
「なんのせっかくよ」
「んー、おねーちゃんとの初体験のせっかく?」
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