上杉風太郎「一花、お前はかわいいよ」中野一花「ッ……!」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/03(火) 23:33:37.60 ID:elO9kpWFO
「続きって、さっきのお話しの?」
「ああ、そうだ。実は続きがある」
「ふん。聞くだけ、聞いてあげる」

言外に次はないと告げると彼は生唾を飲んで。

「どうして一番上の子豚は残ったと思う?」
「えっ? なにそれ、どういう意味?」
「もしも自分がその状況になったことを想定して、考えてみろ。たぶん、すぐにわかる筈だ」

促されて、考えてみる。想像してみる。
もしも私たち姉妹の敵が現れたのなら。
きっと私は、妹たちを守ろうとするだろう。
たとえ、狼にその身を捧げてでも、必ず。

「あっ……なるほど、囮になったのか」
「囮の他にも丈夫な家を建てる為の建築資材を妹たちから奪わないように配慮したとも言える。怠け者の姉豚はそうして皆を守ったんだ」

考えてみれば実にシンプルな話だった。
それでもこうもすんなり正解を導き出せると嬉しいもので、笑みを浮かべると頭を叩かれた。

「痛ったい! なにするのよ!」
「痛いのが嫌なら身を守れ」
「フータロー、くん……?」
「何度でも言うぞ、一花。自分を大切にしろ」

自己犠牲をすんなり導き出した私を家庭教師である彼は叱る。叩かれた頭が痛くて涙が出た。


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