15:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:23:11.41 ID:lh55PHNT0
夢破れた私にとって、この劇場で切磋琢磨しながら夢を追いかける女の子たちの姿はあまりにも眩しかった。
だからこそ彼女たちの前では弱音を吐かず、せめてしっかり者のプロデューサーでいたかった。
私が女優を目指していたことを知っているのは高木社長と音無さん、そして先輩から事前に事情を聞かされていた765プロオールスターズの13人だけだ。
目の前の誰かを楽しませるために本心を秘めるまつりと、己の弱みを覆うために本心を秘める私。
戦うお姫様に憧れた者同士でありながら、私とまつりはこんなにも違う。
まつりを見ていると、私がいかにエンターテイナーに向いていなかったかを痛感する。
もし「自分自身を替えの利く存在だと捉えたことはないか」なんて質問を投げかけたとしても、まつりならきっとこう答えるだろう。
「まつりはみんなの姫なのです。今までもこれからも、それはずっと変わらないのですよ」
私はお姫様にはなれない。
こんな私でもあなたのプロデューサーでいていいのかな――時折そんな思いに苛まれる。
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