47:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/02(日) 11:51:03.43 ID:9H4y6mch0
翌日。
とにかくこの街について本格的に調べる必要が出てきた。
コキコキと首を鳴らしながらアレイスターはパソコンを起動させる。
「さあて、作業に取りかかるとするか」
アレイスターはまず、あらかじめ昼間の内に完成させておいた小切手位のハッキング用のフラッシュメモリをパソコンへと投じる。
これから行う作業とは、警備会社にハッキングを仕掛け、街中にある防犯カメラの映像を片っ端から盗み取り、情報を精査していく。地味な作業になるが、どんな艱難辛苦があろうとも決してへこたれない変人魔術師アレイスターにとってはこの程度文字通り作業でしかない。それに別段急ぎという訳でもないのでいくらでも時間をかけてもいい。
(どんなものが釣れるかなっと)
とアレイスターはこの街についての情報精査を始めた。
とはいってもこの街自体は何の変哲もないただの街なのでたいした情報は得られない。その上学園都市と違い宇宙から人工衛星に監視されてる訳でも、ましてや滞空回線がある訳でもない。カメラの数も学園都市に比べて少ない(それでも大量の映像があるわけだが)。
ハッキングし盗み出した映像をしらみ潰しに見ていっていると、
(あれは、昨日の......)
昨日遭遇した黄色いメルヘン少女だった。
この時の映像は数日前のもので、映像には夕方で辺りに人は少ない場所に彼女はいた。彼女は昨日のメルヘンチックな姿ではなくカメラの映像でよく確認していた何処かの学校の制服姿であった。
彼女は左手の中指にしてある指輪からあのオレンジ色の物質化した魂を取り出して何かを探している様子だった。
アレイスターは彼女の行く先をカメラの映像の記録から辿っていく。彼女は何やら魂の光が強くなっていく方向へと向かっているようだ。だがそれがどういう意味を持つのかアレイスターでも分からなかった。やがて彼女は路地裏の中へと入っていった。さすがに路地裏の中にまでカメラがない以上は彼女がどこに向かって、何をしていたのかも分からない。
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