ティア・グランツ「私、もう待つのはやめたの」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 20:48:46.42 ID:DQhBkFB7O
「まずはチーグルの森を目指そう!」

ルークは早々とこの旅の方針を定めていた。
レプリカ・ルークと旅路を歩み、彼と同じ経験を重ねて、何を思い、学び、そして何を感じたのかを身をもって体験しようと考えていた。

「私は特に異論はないけど……」
「極力、俺たちは手出しはしないからな」

ティアとガイはあくまで護衛。保護者である。
多忙な彼らにとっては束の間の休暇の旅行だ。
あのアッシュが頭を下げて頼んできたからこそ、それぞれ思うところはあれど引き受けた経緯があった。故に、助力は最小限に留めた。

「ところでお坊ちゃんよ」
「なんですか、ガイ師匠」
「旅の終わりはもう決めているのか?」

師匠に問いかけられて、返答に窮した。
レプリカ・ルークと同じ旅を歩むならば、旅の終着点はここタタル峡谷となるだろう。
世界をひと巡りして、再びここへと帰るのだ。
ひとまず、そのようにしてみようと考えた。

「世界を巡って、ここに戻るつもりです」
「ふうん? それで、その後は?」
「その後とは……?」
「王都に帰るのか?」

それはそうだろうと思う。当然の帰結である。
レプリカ・ルークも当初はそれが目的だった。
けれど何故だろう。今は考えたくなかった。

「俺としちゃあ、そっちの方がよっぽど大切で、お前が向き合うべき問題だと思うがな」

師匠の言葉は、弟子の胸に深く突き刺さった。


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