3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 20:40:50.69 ID:DQhBkFB7O
「あ、あなたが大詠師、メシュティアリカ姫」
「本名は好きじゃないの。ティアって呼んで」
「わ、わかりました……ティアさん」
「さんは要らないわ」
決戦の後、兄であるヴァン・グランツこと、ヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデを第七譜歌を用いて倒したティア・グランツ、本名メシュティアリカ・アウラ・フェンデは現在、大詠師としてダアト教会の重鎮である。それよりも。
もう30近い年齢だというのに若々しく、むしろ色気は増しており、まだ色恋を知らぬ子供のルークですらクラクラと目眩を覚える程だった。
溪谷に咲き乱れる、タタル草の白い花と、白い月、そして崩落したエルドラントを背景に佇むティアは、可憐であり、美しく、幻想的で思わず見惚れてしまった。すると、怪訝そうに。
「なに? 私の顔に何か付いてる?」
「べ、別に、なんでもありません! ……じゃなかった。なんでもねーよ! お、おばさん!」
「お、おばさん……」
しょぼんとするティアの姿に罪悪感を感じた。
しかし、これが自分に求められる言動である。
レプリカ・ルークは旅の初めは粗暴な言動が目立ち、アクゼリュス消滅を悔いたことにより更生して真の英雄へと至るのだ。それに則ろう。
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