98: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:00:35.20 ID:hoMUvMIQo
冬優子ちゃんが泣いていた。普段は明るく振る舞う愛依ちゃんも、あのときだけは涙を浮かべながら、私のことを強く抱きしめてくれた。
事務所にいる他のみんなも共通の何かを悲しんで、私のことをまるで憐れんでいるようだった。
プロデューサーさんは泣いてこそいなかったけれど目元が若干赤くて、それに酷く疲労困憊した様子で、私にすべての事情を話してくれた。
プロデューサーがもういないこと。
そして、これからは自分が私の担当を引き継ぐということ。
あの日の私が何を考えていたのか、もう覚えてはいない。だけど確かなことが一つだけある。
それは、あの日、あの場所で、泣いていなかったのは、きっと私一人だけだったということだ。
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