芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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83: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:51:41.18 ID:hoMUvMIQo

 すぐに考えた。いまこの場で何が起こっているのか。それは想像に難くない。

 彼はあらかじめ宣言していた通り、ある程度したら車を出てこちらに来るつもりだったのだろう。
 でも、それよりも先に、あるいは車を出てしばらくしたところかもしれないが、さきほど止んだはずの雨がまた降り始めたことに気がついた。
 私が傘を持っていないことを彼は知っていたから、だから自分の傘を片手に、それから雨を拭うためのタオルも持って、そうして急いでここまで走ってきた。

 多分、こんな具合だ。
 相当焦っていたのだろう。彼は折角買っていた花を車内に置いてきたようだった。




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