82: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:51:08.18 ID:hoMUvMIQo
「――あさひっ!」
突如、私の名前を叫ぶ声とともに上半身を激しい揺れが伝った。
耳元で響いた声に私は思わず顔をしかめて、後方を振り返る。
すると、手を伸ばさなくとも届いてしまうほど近くに、見慣れたスーツ姿のプロデューサーさんが立っていた。
呼吸は荒く乱れていて、動悸の速さがそのまま両肩の揺れとして表れているようだった。
肌を打ちつけていた雨がぴたりと止む。頭上には黒の傘。
私は言った。
「プロデューサーさん、じゃないっすか」
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