140: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 13:57:02.20 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「はい! 高山紗代子、ジャイブを踊ります」
真「へえ。ジャイブ」
雪歩「難しいんだよね?」
141: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:00:38.29 ID:ZRhpxi3E0
美奈子「これってやっぱり?」
千鶴「ええ。意図して1分ぴったりのダンスにしたんでしょうね」
高木社長「では最後に、桃子君」
142: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:09:47.13 ID:ZRhpxi3E0
のり子「はーい。福田のり子、太鼓を叩きます」
琴葉「え? あ、それで浴衣姿なんだ」
のり子「よー、はい!」
143: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:11:03.71 ID:ZRhpxi3E0
高木社長「さて、それでは1回戦を勝ち抜いた10人による投票結果だが……上位3名は」
全員が固唾を飲んで見守る。
高木社長「真壁瑞希君、田中琴葉君、高山紗代子君。以上の3名だ」
144: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:11:32.75 ID:ZRhpxi3E0
琴葉「はい、田中琴葉……歌って踊ります」
やはり最後は、アイドルらしく歌とダンスと彼女は決めていた。
これまでのレッスンで学んだことを、活かす。
145: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:12:00.12 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「高山紗代子、童謡を歌いながらジャイブをします」
琴葉「やっぱり……」
美奈子「え? どういうこと?」
146: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:15:44.43 ID:ZRhpxi3E0
高木社長「さて。では最後は、オープン投票で決着をつけてもらう。真壁瑞希君のパフォーマンスに軍配を揚げる者は、挙手を」
紗代子が手を上げた。
高木社長「では次に、高山紗代子君のパフォーマンスは……」
147: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:16:23.70 ID:ZRhpxi3E0
この時、客席にいた、765プロのアイドルとその関係者だけがこの紗代子の起こした、最初の奇蹟の目撃者だった。
誰にも見いだされず、誰にも選ばれなかった少女が、1人のプロデューサーと共に実力をつけ、磨き、あきらめずにセンターという大役を掴んだこの瞬間の。
少女は仲間達からの祝福を受け、少しだけ流れようとする涙をこらえた。
紗代子「まだ……まだ泣いちゃだめだよね。これから……なんだもの」
148: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:16:50.09 ID:ZRhpxi3E0
『ついに2人は出会った』
149: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:20:20.56 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「事務所内オーディション、合格でした。ありがとうございました……っと」
スマホでプロデューサーにメールを打つと、ものの数秒で返信がくる。
メールでのプロデュースを受けるようになって三ヶ月が過ぎようとしていた。こうしたやり取りに慣れてはきたが、それでも海外で忙しくしているプロデューサーの手を煩わせているのではないかと、時々不安に駆られる。
150: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:22:25.61 ID:ZRhpxi3E0
『一朝一夕に効果のある手法など、ありはしない。少なくとも俺はそんな方法は知らない。ダンスやメイク・着こなし等と同じく、日々の積み重ね以外に歌が上手くなる道などあろうはずがない』
それは当然そうだろう。紗代子もそう思ったところで、画面をスクロールさせると、意外な言葉をプロデューサーは綴っていた。
『だが』
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