149: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:20:20.56 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「事務所内オーディション、合格でした。ありがとうございました……っと」
スマホでプロデューサーにメールを打つと、ものの数秒で返信がくる。
メールでのプロデュースを受けるようになって三ヶ月が過ぎようとしていた。こうしたやり取りに慣れてはきたが、それでも海外で忙しくしているプロデューサーの手を煩わせているのではないかと、時々不安に駆られる。
紗代子「お忙しい中、私のために時間を割いていただき、申し訳ありません……え? もう返信が!?」
『君の成功は、私の成功でもある。気にしなくていい。最近は、レッスンも順調なようだし、今回のオーディションのように結果も出ている。ファンも増えつつある。君はよくやっている』
最近は、指摘や指示以外にも、プロデューサーからのコメントが多くなってきた。
と、少なくとも紗代子はそう思っている。
尊敬するプロデューサーとの距離が縮まっている。そう感じられることは、彼女の喜びにもなっていた。
センター公演が決まると、更にプロデューサーは様々指示を出し、紗代子はそれに従った準備を進めた。彼は事務所へも連絡をしているみたいで、公演内容もスムーズに決まりリハーサルも順調に進んでいる。
そして2日後にセンター公演を控えたある夜、紗代子はプロデューサーにメールをしてみた。
紗代子「ひとつ、質問してもいいでしょうか?」
返事はすぐにきた。
『なにか問題か?』
紗代子「ボイスレッスンは順調ですけど、今よりもっと歌声を磨きたいんです。何かアドバイスをいただけませんか?」
今度は返信に少し時間がかかった。と言っても時間にすれば5分ほどだ。
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